なぜ日立はヒット商品が作れない   

2005年 06月 22日

『なぜ日立はヒット商品が作れない』 河野 溥 エール出版社

「日本一の電機メーカー」とも言われるのに、どうも存在感が薄いというか、顔が見えない感じのある日立。なんでかなぁと前々から思っていたので、このタイトルを見たときに読んでみようと思いました。

1990年の本なので、現在の状況と異なる部分があるとは思いますが、日立のイメージはあんまり変化してないように思えます。

一言で言えば、「工場独立採算制の弊害」のようです。日立は17の工場がそれぞれ決算を行うという形式を取っていて、「中企業連合」的な構造のようです。

■工場独立採算制のメリット
・各工場が赤字を出さないように努力するため、コスト削減が徹底される
・不況時でも工場単位で赤字を阻止する力が働くので、利益堅持に強い
・工場が経理に強くなる
・自工場の好成績を給与に反映させられるので、モチベーションが上がる

■工場独立採算制のデメリット
・研究開発も個別のため、共有部品の多いパソコンとワープロを個別に開発するような無駄が発生する
・同じ理由から、赤字覚悟の「魅せる商品」は生まれない
・目標売り上げを達成すると、それ以上頑張らない
  目標予算より売り上げが大幅に多いと、「見通しが甘い」と罵られたり、翌年の目標予算が上げられたりするため、 「ほどほどにしておこう」となってしまう

■結論
・独立採算制の徹底は、不況やプロダクトアウトの時代に強い
・思い切ったR&Dが可能な好況時には他社に負ける
・マーケットインの時代には柔軟さに欠ける

独立採算制を行いながらも、トップが権限(研究予算分配や人事など)をある程度握り、各部門の連携が強ければ強い組織となるのではないかと感じました。

うちの会社で独立採算制を行うとしたら、この辺りを気をつけないといけないなと思いました。
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by keta_m | 2005-06-22 11:16 | 読書

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